Rolling Stones / Sympathy for the Devil

 資格取得のために専門学校に入学した僕は、その後受験までの1年間、猛烈に勉強した。こんなに勉強したのは後にも先にもこの時だけだ。高校受験や大学受験の時と違い、もう僕には猶予というものが無かった。

 大学には行かなくなった。アルバイトも辞めた。専門学校に行く以外は外出もしなくなった。おそろしくストイックな生活が始まった。息抜きはロックを聴く事だけになった。そして1年間聴き続けたのがStones だ。

 Stones を聴き続けたのには理由がある。Stones には悪魔に纏わるエピソードが多い。Mick もKeith も悪魔に取り憑かれている。名盤を連打した時期のStones は、本人達の自覚はともかく、悪魔の力を借りているのではないか。僕は半分以上本気で、悪魔とStones の関係を信じていたのだ。そして偉大な悪魔の力に僕もあやかりたいと願った。神ではなく悪魔でいいのかと問われるかもしれないが、当時の僕はとにかく力が欲しかったのだ。

 「Sympathy for the Devil」を聴くたびに、全身に力がみなぎった。