村上龍 走れ! タカハシ (7)

 次男がこの春から中学校に入学した。次男が云うには小学校の時よりも今の方が2倍楽しいらしい。楽しいに勝るものはない。結構な事だと思う。

 次男の小学校卒業に伴い、僕は森の少年野球チームの保護者会長から開放された。普通のチームならこれでメデタシメデタシと終わりになるのだが、このチームにはそうも言っていられない事情がある。次男達がチームを去った後、残った子供達がたったの2人しかいないのだ。2人しかいない野球チームを想像出来るだろうか。この心細さは半端ではない。自分の息子がいないからと云って、こんな状態でチームを離れる事は難しい。

 そんな僕や後輩たちの気持ちを察することもなく、次男の頭の中は野球からテニスに変わった。入学早々に部活見学を済ませ、既にやる気満々だ。

 僕の頭の中もいずれテニスに変わるだろう。だがその前にやるべき事はやる。森の少年野球チームに残った2人が、このチームで野球をやって本当に良かったと心から思えるように。僕に出来る事はまだあると思う。

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