The Doors / Live in Vancouver 1970

 久しぶりに、村上龍の「限りなく透明に近いブルー」を読んだ。読み終えて真っ先にしたことは、Doors のファーストを聴く事だった。僕は長らくこの小説のイメージをStones の「Sticky Fingers」で捉えていた。だが再読で気付いたのだが、それは誤りだった。これは間違いなくDoors だ。

 ファンには申し訳ないが、Doors は普段ほとんど聴かない。Doors を聴いていると何か悪い事をしているような気分になるからだ。触れてはいけないものに触れているようで、良心が咎めるのだ。聴く側のテンションがある程度ないと気分が沈み、日常が無理やり掻き乱されてしまう。

 しかしそれがDoors の魅力なのだろう。波長が合った時に聴きさえすれば、これほどカッコいいバンドもないのかもしれない。「限りなく透明に近いブルー」を読んだ後に聴いたDoors は本当に格別だった。

 Doors のライヴ盤「Live in Vancouver 1970」がリリースされた。1970年6月6日の録音。Jim Morrison 最後の勇姿という事になるのだろうか。