村上龍 裏JMMの海岸 Q:1136

Q:1136
 日本の、各業態の会社数は総じて多すぎるのでしょうか。会社数が適正になるような市場の調整、つまり統合・合併、それに不採算企業の退出などが行われると、雇用は減少するのかどうかも併せてお答えいただければと思います。

 最近、企業買収のニュースを目にしない日はない。DeNA のような日本の新興企業がアメリカのソーシャルゲーム会社を300億円超で買収したり、更にはアップルによるソニー買収などという仰天ニュースまであった。

 日本の会社数が適正かどうか僕には分からないが、こういった買収が繰り返された果てにあるのは何かと考えると不安でいっぱいになる。村上龍「愛と幻想のファシズム」の中に巨大コングロマリットが登場する。片手で収まる範囲の巨大資本がすべてを統治する世の中は怖い。数が少なくなればなるほど独裁に向かうからだ。買収が繰り返される日常は居心地が悪い。

 しかしながら市場の調整とはそういうものだ。統合や合併が繰り返され、ゾンビ企業が退出した方が生産性は上がる。国家が関与するより市場に委ねた方が間違いは少ない。市場に委ねれば雇用は減少するのだろう。

 質問の答えになっていないが、国民の多くが簡単に起業して、どこもかしこも個人企業で溢れている、会社の数が異様に多い世の中が好きだ。