THE BEATLES 1962 – 1966 / THE BEATLES 1967 – 1970

 ベストアルバムはガイドだ。優秀なガイドのおかげでそのアーティストを好きになり、オリジナルアルバムをすべて揃えてしまうという事もよくある。

 そしてオリジナルアルバムがすべて揃っていく過程で、急激にガイドの存在意義が薄くなり、しまいには中古CD ショップに売られる事もある。あれほどお世話になったのにひどい話だが、ベストアルバムの運命とはそういうものだ。ベストアルバムは、永遠にオリジナルアルバムには勝てない。

 ただし稀に例外がある。赤盤・青盤で知られる「THE BEATLES 1962-1966」・「THE BEATLES 1967-1970」がそうである。収録されているすべての曲は、他のアルバムで聴くことが可能だ。しかしどうしても赤盤・青盤の曲順でないと気分が収まらない事がある。赤と青のジャケを眺めつつ、この曲順で聴くBeatles は格別なのだ。これほど優秀なガイドは他にはいない。

 赤盤・青盤の2010年リマスターが、ついに10月18日にリリースになる。Amazon では予約可能となった。今年の秋は楽しいかもしれない。