村上龍 半島を出よ 10

 村上龍「半島を出よ」。小説を読んでいて鳥肌が立つという経験はそうないですよね。鳥肌が立つようなカンジではなく、実際に鳥肌が立つという事ですよ。この作品で僕は何度も鳥肌が立つという経験をしました。そんな鳥肌シーンの1つです。ネタバレ入ってます、お気をつけあそばせ。

 たった9人の北朝鮮コマンドに観客3万人の福岡ドームが武力占拠された際、事態を受け入れる事の出来ない300人の白装束ホークス応援団が、マシンガンで武装した北朝鮮コマンド達に「博多もんばなめたら承知せんぞ」と叫び、怒濤を組んで向かって行くという一発触発の場面。

 この応援団は本当の危機という事を知らないんですよね。その状況で何が最良の方法かという事を全く分かっておらず、集団でいる事に甘えてるワケです。龍さんは応援団に腐った日本を象徴させているんですよ!

 この事態にキム・ハッス作戦副官がRPGロケット弾で巨大電光掲示板の半分を吹き飛ばします。一瞬で3万人全員を黙らせた瞬間!