村上龍 超電導ナイトクラブ 6

 実は村上龍「超電導ナイトクラブ」、あらすじを聞かれると困っちゃうんですよね。再読を終えたばかりなのにどんなストーリーだったのかよく分からないんですよ。えってカンジですよね?

 この作品は龍さんらしくいつものようにSM話で始まるのですが、途中からSFに転じて、記憶移入、人口冬眠、代理体験、人造人間、クローンと、これでもかという奇想天外な話が、抱腹絶倒の笑いと共にめくるめく展開します。

 しかもかなり支離滅裂で、1つの話の収拾がつかない内に、次の更に大きな話へと発展し、単なるBarでの酔っぱらいの会話が、終いには官僚まで巻き込んで国家プロジェクトまで行っちゃいます。もうワケわからん状態ですね。龍さん、凄まじい暴走です。いやぁ参ります!

 ですがそんな事はおそらく重要な事じゃないんですよ。ストーリーが分からなくても問題ないです。ハチャメチャな雰囲気を充分に堪能して、頭の中をグシャグシャにシャッフルする、これがこの作品の正しい楽しみ方なんです。