Pink Floyd / The Dark Side of The Moon

 「Echoes」でつまずいたせいか、僕は高校生になってもPink Floyd に対して聴かず嫌いのままでいた。そもそもプログレが嫌いだったのだ。そんな思いを一変させたのが、名作「The Dark Side of The Moon」である。

 このアルバムを聴くキッカケは実にくだらない。僕は高校が嫌いで、学校に行く代わりに友人のM 君宅に遊びに行ってしまう事が結構あった。しかもM 君本人が学校に行って留守であっても、構わずお邪魔していたのだ。今思えばM 君のお母さんは偉いと思う。学校が嫌なら行かなければいいと、僕のような落ちこぼれ高校生の行動を許していたのだから。

 M 君が学校から帰るまでの間、M 君のレコードを聴いて時間を潰した。たいがいのレコードは聴き飽きていたが、1枚だけ聴いた事のないレコードがあり、それが「The Dark Side of The Moon」だった。気乗りはしなかったが、他にする事もない。要するにしょうがなく聴いたのが始まりなのだ。

 今では無人島に持っていく10枚に入っているかもしれない。