村上春樹 ノルウェイの森 19

 プロローグにおいて、18年後のワタナベくんは、何故、緑についていっさい触れてないんでしょうか。というか、レイコさんについても触れてない。レイコさんはその後どうなったんでしょう。村上春樹「ノルウェイの森」。

 レイコさんは、直子の死を契機に阿美寮を出て、北海道の知人のもとで新たな人生をスタートさせる。ここで物語は終わります。この再出発は希望に満ちたものとなるのか、更なる転落の始まりなのか?

 レイコさんは、直子とワタナベくんの間に立つ霊媒者のような存在でした。非常に頼りになる存在です。ですが見落としてはいけないと思うのは、レイコさんも直子同様に阿美寮において患者であったという事です。心の闇はかなり深いハズ。阿美寮において、レイコさんがなんとか精神の均衡を保てたのは、直子がいたからなんですよね。自分を必要としてくれる誰かがいる。この点って重要だと思うんです。そしてもう直子はいない。

 その後のレイコさんを想うとき、僕は暗い気持ちでいっぱいになります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です