村上春樹 ノルウェイの森 12

 村上春樹「ノルウェイの森」で思い出した事があります。この作品が爆発的に売れていた頃、若かりし僕はある女性と出逢いました。

 彼女はこの作品を読んだ直後らしく、それこそ延々とこの作品の事ばかりを話題にするんです。で、僕の方はというとバリバリのロック小僧で、読書のどの字も知らない、この作品はおろか村上龍も読んだ事がない頃で、彼女のノルウェイ話に適当に相槌を打つ程度で、気の利いたコメントはいっさい返せなかったんです。云ってみれば、ちょっと情けない状態だったワケです。

 ただ、その彼女は最後の最後に「Norwegian Wood」を聴いた事がないと云うんです。えっ、これにはすかさず汚名挽回とばかりに「Rubber Soul」をダビングして渡してあげました。さんざん講釈を付けて!

 実は「Rubber Soul」を渡した日以後現在に至るまで、彼女には一度も会っていません。僕自身は彼女に気に入ってもらえなかったのかもしれませんが、「Rubber Soul」だけは彼女に気に入ってもらえたんじゃないかな!

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