村上龍 イン ザ・ミソスープ 9

 最近、やっぱり破壊と希望ってセットなんだなぁと、つくづくというか今更ながら思います。腐ったモノや醜いモノを徹底的に破壊し尽くさなければ、なかなか希望は生まれにくいのかなと。

 僕が龍さんの作品に希望を感じるのは、凄まじい破壊がまずあるからなんですよね。「共生虫」とかそうですよね。で、希望の方に少し軸足を取ると「希望の国のエクソダス」になる。だいたい破壊の代名詞のような「コインロッカー・ベイビーズ」だってエンディングはどこか清々しいじゃないですか?

 村上龍「イン ザ・ミソスープ」のフランクによる破壊は、途中までがスゴすぎるので最後までそのテンションを期待してしまうのですが、エンディングは意外にも静かです。肩透かしのようなカンジもするのでしょうが、僕はかなり秀逸なエンディングだと思います。大晦日に除夜の鐘を待つという、今までの惨劇がウソのような綺麗で上品なエンディングですよね?

 そしてここでもまた希望の光を僅かに感じることが出来ます。それはフランクにもケンジにも。

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