村上龍 裏JMMの海岸 Q:924

Q:924
 内閣府は、8月の月例経済報告の基調景気判断を「弱含み」として、「回復」という表現が消えるようです。4年8ヶ月続いた景気の「回復期」ですが、その恩恵を受けたのは、国民のどの層だったのでしょうか。また恩恵を受けなかったのは、どの層だったのでしょう。

編集長 村上龍 ジャパン・メール・メディア

 村上龍 裏JMMの海岸。北島康介選手、やっぱりスゴいですね、日本の希望の星ですよ。ところで、景気の回復期で誰が恩恵を受けたかですが、輸出関連企業の役員と従業員でしょうね。しかも新興国への輸出割合が高かった企業!

 僕の周りでもハイテク輸出関連の会社に勤めている友人がスゴかったですよ、金、使いまくってましたからね。こんなに使ってイイのかってくらい、とにかく羽振りがよかった。自分の身近でこういう格差があからさまに露呈しちゃうのってホント困るんですよ。ことあるごとに奥様からチクチク云われちゃいますからね。リストラされずにいるだけでも、僕、偉いでしょ?

 それから景気の起ち上がりの時期に株式投資をしていた人も、かなり恩恵を受けたんじゃないかな。もっとも上手に立ち回れなくて、去年から今年にかけて儲けを全部吐き出しちゃいましたかね?

 いずれにしても人口に占める割合で云えば、恩恵を受けた人は1割未満で、9割以上の人がいっさい何の恩恵もなかったのでは?