村上龍 69 sixty nine (10)

 村上龍が原作の映画、「69 sixty nine」を最近になってやっと観た。非常に面白かった。主役の2人はもちろんだが、それ以外のすべてのキャスティングが完璧だと感じた。キャスティングが良いとそれだけで最後まで楽しめる。

 主役以外で特に良かったのが、担任の先生を演じた岸部一徳。この味を出せる俳優って他にいないだろう。この先生が登場した途端に妙になごむ。このなごみ感がたまらなく好きだ。それと父親役の柴田恭兵もベスト。本来の柴田恭兵のイメージとかけ離れているが、かなりハマっていた。僕には無理だが、こういう父親が本当は子供にとって最高の父親なんだと思う。

 ところでヒロインのレディ・ジェーンはどうか。実は何を隠そう、これが最高中の最高で、演じた太田莉菜があまりに可愛すぎてびっくり。自分が高校生の時にこんな同級生がいたら人生変わっていたかもしれない。後で知ったが、太田莉菜は後に松田龍平の奥さんになっていて、その事に更にびっくり。

 原作にあるほろ苦さがこの映画にはない。それだけがちょっと残念だ。