村上龍 昭和歌謡大全集 (14)

 浅田真央のショートプログラムが芳しくなかったので、今朝からずっと気が重い。浅田真央とキムヨナの差はどこから来るのだろうか?

 こういうどんよりした気分の時には、もう一度、村上龍の「昭和歌謡大全集」が観たくなる。おばさん達がロケットランチャーで、若者達の舞台を攻撃する場面なんて最高だった。発射された弾頭の軌跡がまったく湾曲せず、一直線に舞台に炸裂し、辺り一面が火の海。本当に爽快な気分になる。

 「昭和歌謡大全集」に登場する少年達やおばさん達、彼らのような脳天気さが生きていくには必要だと思う。ネガティブ思考は論外として、ポジティブ思考だけで生きていても、行き詰まる時はあるような気がする。そういう時に道を開くのが脳天気さだと思う。そして何より、脳天気な奴は周りを明るくする。

 この映画の松田龍平のカッコ良さは、すべてそんな脳天気さにあると思う。海岸のステージで、コスプレの松田龍平が「恋のバカンス」を歌う。このカッコ良さ。脳天気も真剣にやらないとカッコ良くない。