広木隆 / 9割の負け組から脱出する投資の思考法

 広木隆はマネックス証券のストラテジストだ。ストラテジストは経済動向をはじめ、ありとあらゆる投資環境を分析し、投資家に投資戦略を立案する仕事。なので基本的に広木隆の書いたものは投資本になるはずだ。

 確かに本書も、前書である「ストラテジストにさよならを」も投資本だった。だが、世間一般的なこの手の本とは圧倒的に違う点がある。それは肝心の投資戦略については特筆すべきものはないが、それ以外の事、ようするに単なる余談とか雑談の類だが、それらがべらぼうに面白いのだ。

 広木隆の余談や雑談は、必ず大仰なドラマ仕立てとなっている。もちろん主人公を演じるのは著者本人。実話なのか創作なのか不明だが、特異な文章力も相まって妙に臨場感がある。極上の昼メロの面白さなのだ。しかも投資戦略と何の関係もない話にもかかわらず、余談・雑談のボリュームの方が本編より多かったりする。そしてそれが抜群に面白いのだから困る。

 金融にメロドラマ、かつてない新たなエンタテイメントの道を歩んで欲しい。

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