中東関連のニュースを見ていて思うのだが、どうしてそうなるのという事が多い。というか、はっきり言って分からない事だらけだ。こんなに無知のままではマズいと思い、酒井啓子の「〈中東〉の考え方」を読んでみた。
中東と云えば、石油、イスラム教、アラブ民族、反米といった言葉を連想するが、そもそもそれが間違いだったようだ。中東という言葉ですべての国を括ってしまう事にあらゆる元凶がある。これを改めないと先に進めない。
考えてみれば石油で浮かれている国もあれば、石油が出ない国もある。全員がイスラム教ではないし、同じイスラム教であってもスンナ派とシーア派は敵対している。皆がアラブ民族ではないし、親米の国だって幾つもある。そしてこれらの組み合わせが国の数だけ存在する。これじゃ分からなくもなる。
この本を読んでそれぞれの国の事情や立場が多少分かってきた。だが同時に思った事がある。中東で起こっている諸問題が解決し、皆が仲良く暮らす日はほぼ永遠に来ないだろうという事。そのくらい複雑なのだ。