村上龍 テニスボーイ・アラウンド・ザ・ワールド (8)

 中1の次男は、長男と同じソフトテニス部に入部した。中学生になって最大の楽しみが部活だったので、それこそ意気揚々と乗り込んだのだが、最近は顔色が冴えない。部活を続けるかどうか悩んでいるようなのだ。

 実は、ペアを組む相手と温度差があり過ぎるのだ。中学におけるソフトテニスはダブルスしかない。そして次男の中学校では同学年でペアを組む事が慣例となっているにもかかわらず、同学年の入部者が4人しかおらず、内2人は幽霊部員で、次男を除く残る1人も、全くやる気がないらしい。

 先日、次男の試合を観戦した。小学2年からテニスをしている次男は、そこそこ上手い。確かに95%以上の失点はペアの子によるものだった。次男は不機嫌になり、ペアの子はますますやる気を失くす、その悪循環だった。

 中3の長男は恵まれていた。同学年で10人以上の入部があり、しかもほぼ全員がやる気に満ち溢れていた。いつも応援に行っていた次男は、そんな一部始終を見てきた。だから辛いのだろう。なかなか厄介な問題だと思う。