Eagles / History Of The Eagles 駆け足の人生 (3)

 誰だってデビュー間もないアーティストなら、プロデューサーの言いなりだ。ましてや相手がRolling Stones やThe Who のプロデュースで名を馳せていたGlyn Johns なら尚の事。だがEagles は違ったようだ。

 「History Of The Eagles – 駆け足の人生」の中に、3rd アルバム録音中にGlenn Frey とDon Henley が、Glyn Johns と衝突するエピソードがある。Glyn Johns が施したヴォーカルエコーが気に入らないと云う。又、ドラムセットひとつひとつにマイクを立てて欲しいというDon Henley の要望が通らない。結局、Glenn Frey とDon Henley は、Glyn Johns を降板させてしまう。

 正直このエピソードに驚く。音へのこだわりが半端でない。まだろくにヒット曲もない駆け出しの若造なのに、大物プロデューサーと喧嘩してまで作りたい音を持っているという事だ。「Hotel California」の異常までの完璧さは、ある日突然出来たものではない。Eagles はレコーディングアーティストの最高峰だ。

 Glenn Frey が嫌な奴なのは、きっと理想が高いからだと思う。