中上健次 vs 村上龍 俺たちの舟は、動かぬ霧の中を、纜を解いて、-。

 最近おもしろくて毎週観ているTV ドラマがある。「ビブリア古書堂の事件手帖」だ。このドラマに登場する人達は本をこよなく愛している。本に対する執着も凄い。このドラマを観ていると古書はいいなと素直に感じる。

 僕も随分前に村上龍の初版本ばかりをオークションで収集した時期があった。村上龍の場合は発行部数が多いので、ドラマのような激レア・超高額というケースはない。ただ「友達のラリルレロ MY DEAR RA-RI-RU-RE-RO」を狙った時は、想像以上に高い値段で、完全に競り負けて悔しい思いをした。

 僕の買った本で一番高かったのが「村上龍 vs 村上春樹 ウォーク・ドント・ラン」、多分二番目に高かったのが「中上健次 vs 村上龍 俺たちの舟は、動かぬ霧の中を、纜を解いて、-。」だと思う。これらの本に深い思い入れがあるわけではない。だがそれでもなかなか売っていないのだと思うとなんだかとても愛おしくなる。どちらも大事で大事で仕方ない。

 電子書籍では味わえない貴重な楽しみだと思う。