村上龍 55歳からのハローライフ (11)

 村上龍の「55歳からのハローライフ」を再読している。本当に傑作だ。あらためて云うのも何だが、村上龍はやっぱりスゴいと思う。

 最初の短編「結婚相談所」の主人公は、離婚直後の50代の女性だ。結婚相談所に通って再婚相手を探すのだが、紹介される男性はろくでもない男ばかり。現実の世界は厳しい。何故離婚したのか。自分は何処に向かおうとしているのか。彼女自身、明確な答えを持っていない。

 彼女が置かれている状況は、決して明るいものではない。それでも読んでいて清々しく感じるのは、彼女が自らの意思で一歩を踏み出しているからだと思う。自分の人生、ずっとこのままでいいのかという問に対して、行動をもって答えを見つけようとする。その歳でなかなか出来る事ではない。

 変化する事は難しい事だと思う。歳を取れば取るほどリスクは大きくなる。変化する事で、苦しみもがくことにもなる。でも変化する自分こそが、その人が前を向いて生きているという唯一の証になるのだと思う。

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