Billy Joel / New York State of Mind

 毎年クリスマスになると、地元のホテルでジャズバンドによるディナーライヴがある。地元の繋がりもあって、ここ何回か行かせてもらっている。

 ジャズといってもスタンダードばかりでなく、John Lennon の「Happy Xmas」などのポピュラーな曲も演奏してくれるので、僕でも十分に楽しめる。ところが今年のバンドはそうではなかった。ロック・ポップス系の曲が皆無なのだ。僕はワインを既に相当量飲んでしまっており、退屈のあまりついうっかり途中で寝てしまった。場をわきまえない酔っぱらいおやじだ。

 ふと眠りから覚めたのは、とても懐かしい響きに包まれたから。男性ヴォーカルが袖に退き、女性ピアニストが弾き語りをしている。その演奏がとても懐かしい。眠気が吹き飛び、次第に曲に引き込まれていく。出来ればこのまま永遠に聴いていたい。優しくとても力強い曲。

 その曲が何だったのかどうしても浮かんでこなくて、ライヴの後にピアニストのところまで尋ねに行った。Billy Joel 「New York State of Mind」。