INXS

 INXS が活動を停止したらしいのだが、看板スターが自殺した後もまだ解散せずに活動を続けていたのかと、そちらの事実にびっくりした。

 80年代に人気を誇ったカリスマヴォーカリストのMichael Hutchence は、1997年に首吊り自殺した。ルックスはもとより全てにおいて魅力的な人で、80年代では珍しいロックテイストな人だったと思う。

 1986年に「Dogs in Space」という映画にも主演しているのだが、酒とセックスとドラッグに溺れるロックスターの日常を描いた映画で、おそらく地のままだったと思う。今考えればまるで村上龍の「限りなく透明に近いブルー」の80年代海外編といった内容だ。小説の「ブルー」同様、何から何までひたすらカッコよく、そして少しばかり哀しい映画だった。

 Hutchence の自殺のニュースを最初に聞いた時、僕は全く驚かなかった。むしろ内心とても納得した。Hutchence の途方もないカッコ良さは、デッドライン上を歩くような一種独特の危うさから生じていたのだと思う。