村上龍訳 リチャード・バック イリュージョン (10)

 中2の長男が、僕が7割以上手を加えた「かもめのジョナサン」の読書感想文で校内入選を果たした事は以前書いた。実は小6の次男も、僕が7割以上を手伝った夏休みの自由研究で、昨年校内入選を果たしている。

 いったいこんな事をやっていいのか。親が手を加えた作品で入選したからといって、それは子供にとっていい事なのか。そう思うのだがつい手が出てしまうのだ。生まれ持った性格はなかなか治らない。

 先日次男は、校内どころか市の俳句コンクールで入選してきた。待てよ、僕が俳句を手伝った覚えはない。という事はこれは次男の真の実力かと一家で大喜びしていた矢先、ある事実が判明した。なんと入選した俳句の殆どをおばあちゃんが作ったらしいのだ。おいおい!

 制作過程を都合よく忘れ去った次男は大喜び。そのニュースを知った当のおばあちゃんは、更に輪をかけて大喜び。僕はさすがにちょっと複雑な気分なのだが、皆がハッピーだから良しとするしかない。