村上龍 ニューヨーク・シティ・マラソン (15)

 先週の土曜日、小6の次男が通う小学校で運動会があった。以前書いたように次男がリレーの選手に漏れたため、なんとなく盛り上がらず出掛けたのだが、行ってみたら更に盛り下がる出来事が待っていた。去年まであった棒倒しと騎馬戦が競技種目から外されていたのだ。

 「パイレーツ・オブ・カリビアン」のテーマ曲にのって、上半身裸の男子が闘争心剥き出しで戦う棒倒しは、お母さん達の超人気種目だった。一方、愛くるしい顔の女の子が髪の毛を引っ張り合うまでエキサイトする女子騎馬戦は、お父さん達の大いなる楽しみだったのだ。周りの父兄に尋ねると、去年の棒倒しで骨折した児童がいてその事が影響しての中止らしい。

 骨折する事は悪い事なのだろうか。中2の長男は過去に2度骨折しているが、それなりにキブス生活を楽しんでいた。そういう事も本人の経験のひとつだと思う。児童が骨折して一番痛いのは、実は学校の先生?

 次男の最後の運動会は、複雑な気持ちのまま幕を閉じた。