Grateful Dead Live/Dead

 僕の知り合いの美容院の先生は、ヒッピーのようなファッションをしている。僕より歳上なので、60年代後半のヒッピームーブメントをリアルタイム体験しているのかも知れない。愛と平和と自由!

 ヒッピー文化を代表するバンドGrateful Dead が、1969年に「Live/Dead」というライヴ盤をリリースしている。名盤という扱いに一応なっているらしいのだが、正直なところ僕にはその良さが分からなかった。楽曲も演奏も普通で特筆すべきものは何もない。ドラッグがないとダメなのか?

 今年の夏、夕暮れの野外で「Live/Dead」を聴いた。この時は過去に聴いた時と違い、ライヴの中に少し入り込めたように感じた。カッコいいと思った。自分の中の何かのスイッチが入った途端、物事は急にカッコ良くなる。カッコいいの正体とは何だろう。理屈ではない、理由もいらない。

 何年か前、先の美容院の先生がGrateful Dead のT シャツを着ていた事を思い出した。その時そのT シャツをもっと絶賛しておけばよかった。