村上龍 裏JMMの海岸 Q:1268

Q:1268
 少し前のトピックになりますが、消費増税法案が衆議院で可決されました。小沢一郎氏の動きを含め、感想をお聞かせください。

 小沢一郎という政治家は何となく旧態依然のイメージが強くて、どちらかと云えば嫌いな政治家だった。ただし今回の消費増税法案に関する一連の動きの中では、小沢一郎だけがまともだったように思う。

 民主党は選挙の際に徹底的に無駄を省くと言っていた。事業仕分けが華々しくTV を飾り、埋蔵金という単語も頻繁にメディアに登場した。まさか今回の民主党政権下で消費税率が上がると思った国民はいないと思う。小沢一郎が指摘するまでもなく、これは明らかにマニフェスト違反だ。

 マニフェストを信じた国民が悪いという意見がある。だがそれを言ったら何もかも終わりだ。AKB48 の選挙ならルックスの好みだけで投票出来るが、政党を選ぶ時にマニフェストが信用できなければ話にならない。

 今回も財務省の一人勝ちで幕が降りた。官僚支配の国では官僚だけが太り続ける。小沢一郎以外、官僚に逆らえる者は誰もいないのではないか。そう思うととても不安だ。自民・公明・民主、全てが腐ってしまった。