Neil Young & Crazy Horse / Americana

 何となく買ったNeil Young の新譜「Americana」が特段に良い。作者不詳の古いトラディショナルを、バンドCrazy Horse でカバー。オリジナルは1曲もない。ジャケットの雰囲気がそのまま詰まったロックアルバムだ。

 このアルバムの収録曲をまともに演奏していれば、おそろしくノスタルジックな世界に入ってしまうはずだ。だがそこはNeil Young、まともになんて演奏していない。歪んだギターを酔っ払って掻きむしっているような、そんな楽しさに溢れている。おそらく1発録りであろうバンドのテンションも異常に高く、聴いている方まで妙なグルーヴに包まれてしまう。

 Neil Young やバンドのメンバーにとって、これは仕事でも何でもないのだと思う。ただただ楽しくてやっている。セールスや評価などきっと何も気にしていないのだろう。本人達の意向に反して売れているらしいが。

 Lady Gaga とJ-POP しか聴かない人達に、このアルバムの良さは分からないと思う。そう思ったらなんだか得した気分で嬉しくなる。