村上龍 ユーカリの小さな葉 (3)

 村上龍は「ユーカリの小さな葉」の中で、希望についてこう書いている。「自然に生まれるものではないし、全体を包むものでもない」。

 同じような状況下に置かれた集団があったとして、その全員に対してある日希望がふっと湧いて出て来るなどという事は決してないという事だ。誰かひとりが希望を感じたのだとしても、それが他の誰かの希望に繋がるわけではない。そして最初の誰かは労せず希望を手にしたわけでもない。希望とはひとりひとりの思考と行動により自らが掴み取るものなのだろう。

 先日、期待ではなく希望を持とうというコメントをもらった。村上龍も云うように、期待とは他力本願なものだ。希望と期待は違う。

 希望の国のエクソダスの「この国には希望だけがない」だが、そう考えると国全体が希望を持つ事はない事になる。当時だろうが、震災直後だろうが、現在だろうが、希望を持っている人は持っているし、持っていない人は持っていない。希望を感じ取ろうと思ったら、それなりの戦略が必要という事か。

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