村上龍 13歳のハローワーク (7)

 タイムリーな話題でなくて申し訳ないのだが、3月で放送が終了した村上龍原作のドラマ「13歳のハローワーク」について。

 ドラマは全9話で、実は3回ほど見そびれてしまったのだが、全体の印象としては期待以上に面白かった。職業という概念に対して、常にポジティブに捉えようという意気込みのようなものを感じる事が出来た。

 そもそも就職とはポジティブなもののはずだ。なのに今の世間の風潮ときたら、就職活動が人生の中で最大の試練のように扱われている。大手企業でなければならない、正社員でなければならない。就職に失敗しただけで負け組と云われる。ニュースで見る彼ら学生の顔はいつも悲壮だ。

 だがそんな事は間違っている。ドラマには高校に進学せずカレー屋に弟子入りする子や、アルバイトを続けながら好きなマンガを描き続ける子らが、実に生き生きと描かれていた。法で定められた期間内にリクルートスーツで行う就職なんてクソ食らえ。もっと自由にポジティブに考えるべきだ。