村上龍 13歳のハローワーク (6)

 村上龍原作のドラマ「13歳のハローワーク」が意外に面白い。バブルの絶頂期1990年と22年後の2012年をタイムスリップで行き交うという設定、ひとりの人間の過去と現在を、同時に垣間見れるのが最大の魅力だと思う。

 第3話だったと思うが、漫画家志望の男の子が登場した。彼には才能があり、中学生でありながらデビューの話が持ち上がっていた。たが出版社が彼に書かせようとしたマンガは、彼の書きたいモノとは違っていた。彼はデビューの話を断り、ひたすら自分の書きたいマンガを書き続ける。

 22年後の2012年、35歳の彼は未だ漫画家になれないでいた。アルバイトで生計を立てている。フリーターだ。でも夜マンガを書いている。自分の本当に書きたいマンガだ。そして彼の表情は実に充実している。

 TVを見ながら目頭が熱くなった。これもひとつの形なのだと感じた。好きな事で生計を立てる事が出来ればそれに越したことはない。でももしそれが叶わなくても幸せになれないわけではない。肩の力を抜くべきなのだ。

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