村上龍 愛と幻想のファシズム (31)

 今日はこれから雪合戦の大会に出掛ける。都会の人にしてみれば、えっという感じだろうが侮ってはいけない。日本雪合戦連盟公認の公式大会で、世界大会への切符がかかっているのだ。TV 中継まで入る。

 観戦に行くのではない。次男の所属する少年野球チームが、本大会の前に行われる小学生の部に参加するのだ。トーナメント方式により優勝チームを競う。野球と雪合戦は似て非なるもの。どんな結果になるのか想像もつかない。引率者としては今からドキドキの気分だ。

 村上龍の小説にはビーチリゾートは頻繁に登場するが、雪国が登場する事はまずない。寒いので本人もあまり行かないのだと思う。僕はすぐ隣がスキーゲレンデみたいな所に住んでいる。雪景色もなかなかいい。

 雪と氷が小説舞台となる数少ない例が「愛と幻想のファシズム」。カナダエスキモーの村や北海道の大雪山などが重要な役割を果たす。読者に震えが伝わるような極寒の地、その厳しさが緊張を生む。大好きな作品だ。