村上龍 オールド・テロリスト (7)

 一昨年の夏に将棋の駒と将棋盤を買った。親子で将棋を指すという風景がなんとなくいきに感じられ、以前から憧れを持っていたからだ。

 とはいえ、すでに長男は僕の相手をしてくれない。現代っ子は何かと忙しいのだ。かろうじて小学5年の次男が時おり相手をしてくれる。今年の春先まで僕は負けなしだったのだが、今では負かされてしまう事も多い。

 昨日、偶然にNHK で将棋中継を見た。TV で将棋を見るのは初めてだったのだが、鳥肌が立つほど感激してしまった。なんと、相手の玉を裸にするほど攻め続けていた側の棋士が、突然、参りましたと勝負を降りたのだ。解説によれば、その時点での持ち駒では最後まで攻め切れないという事らしい。潔く爽やかだった。いったい敗けた棋士は何手先まで読んだのだろうか。将棋は奥が深いのだとあらためて感じた。

 そういえば、村上龍の「オールド・テロリスト」にも将棋道場が登場する。直近の3話をまだ読んでいない。今週末に読もうと思う。