村上龍 それでも三月は、また

 2011年が終わろうとしている。良くない出来事が、年間をとおして立て続けに起きた年だった。その中でも、特に原発事故は本当に大事なものを奪い去ってしまったと思う。それは信用とか信頼といったようなものだ。

 政治や行政が如何に無能なのかを思い知らされただけではない。彼らは自分達の利益と保身の事しか考えていなかった事が露呈した。政治や行政に対する信任は完全に失われたと思う。自分の住む国を信じる事が出来ないというのは最大に不幸な事だ。そしてそれを長きに渡って選択してきたのは、我々国民ひとりひとりなのだ。そう思うと更に暗澹たる気持ちになる。

 Amazon で村上龍など17名の作家による競作の短編集が予約可能となっていた。タイトルは「それでも三月は、また」。詳しい事は不明なのだが、テーマは震災と原発事故という事らしい。一刻も早く読みたいという気持ちに駆られる。何かしらの希望を感じ取れる短編集であるはずだ。

 今年1年間ありがとうございました。良いお年を!