ちあきなおみ / 喝采

 Amazon からの荷物は自宅ではなく勤務先に届く。受取人も僕ではなく同僚の名前に設定されている。もう10年もそうしている。

 以前は受取人の役をY さんという女性が引き受けてくれていた。20代のY さんは目が大きなとても可愛い女性で、荷物を引き取りに行く事自体、僕の楽しみのひとつになっていた。数年前にY さんが退社して、その役は何故かM さんに代わった。M さんはよく喋る63歳の女性である。

 M さんは名義が私宛だからいいでしょと言って、僕の荷物を勝手に開封する。中身が本にしろCD にしろ、M さんが理解可能な物は皆無なのだが、必ずと言って良いほど商品についてコメントをする。僕が質問攻めにされる事もある。このようなM さんとのやり取りだが、実は意外に楽しい!

 最近、僕に触発されたM さんはAmazon で買い物をするようになった。PC オンチのM さんの代わりに僕が発注を引き受けている。今日もちあきなおみの「喝采」が届いた。会話の輪は更に膨らんでいる。