Kate Bush / Director’s Cut (2)

 Kate Bush の「Director’s Cut」、僕はデラックス・エディションを買った。「Sensual World」と「Red Shoes」のリマスターが欲しかったからだ。

 今から20年以上も前、僕は「Sensual World」に入り込めなかった。それ以来Kate をフォローするのを止めていたのだが、大きなミステイクだった。これは素晴らしいアルバムだ。未聴だった「Red Shoes」も同様。

 僕にはアーティストを都合のいい枠にはめたがる癖がある。Kate なら万人向け最高傑作は「The Kick Inside」、マニア向けには「The Dreaming」、キャリアのピークはPeter Gabriel との「Don’t Give Up」。例えばこんな感じで勝手に論評してしまうのだ。しかしそんな事はまったく意味の無い事だという事を「Director’s Cut」は教えてくれる。偉大なアーティストの前で、素人が何かを声高らかに云うのは恥をかくようなもの。

 暫くはデラックス・エディションの3枚を交互に聴く日が続くだろう。そしてその後「Aerial」を聴いてみたいと思う。楽しみが増えた気分だ。