村上龍 逃げる中高年、欲望のない若者たち (2)

 今、いまだかつてないほどの恐怖を感じている。福島第一原発の事だ。

 まったく仕事が手につかず、ネットでニュースとtwitter と株価だけを見ている。放射能汚染が深刻な事態になりそうだ。チェルノブイリのように、福島県一帯は今後何千年も住む事が出来ないといったような情報が普通に飛び交っている。そして否定もされていない。株価がそれを折り込み出している。凄い暴落だ。日本という国がこれで終わってしまうかのようだ。

 政府の発表も東電の発表も、何かが足りないように思う。穿った見方をすれば、重要な何かを国民に隠しているように思えてしまう。そうでなければ政府も東電もあまりに無能なのではないだろうか。地震とか津波といった天災は事前の危機管理の問題はさておき、起きてしまった事自体はしょうがない。だが原発は別だ。人間が創りだしたものじゃないのか!

 そんな僕を同僚がなだめた。現場では皆一生懸命やってるんだから。確かにその通りだと思う。原発に関しては黙って祈るしかない。 

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