村上龍 歌うクジラ (8)

 村上龍が電子書籍の制作・販売会社を設立へ。自身の既刊・新刊のほか、瀬戸内寂聴、よしもとばなならほかの作家の作品も電子化して販売。

 まずは驚いた。そしてさすが村上龍だと自慢に感じる一ファンとしての気持ち、一方でその流れにまったく置いていかれてしまっている自分のスタイル。今日のニュースはまたしても僕を複雑な気持ちにさせている。

 iPad を持っていない僕は紙媒体の「歌うクジラ」を購入した。Amazon の商品画像を見て装幀に近未来冒険小説らしさがないと以前書いたが、実物を手にしてみたところ、実に考え抜かれた丁寧な作りでかなり気に入ってしまった。不思議な事に今では小説のイメージに完全合致している素晴らしい装幀だと思う事が出来る。もうじき上巻を読み終えるところだ。

 村上龍の新会社は「限りなく透明に近いブルー」などから順次電子化していくのだと云う。もし仮に村上龍の全作品をiPad に入れて常時持ち歩けるのだとしたら、それはそれできっとおそろしく楽しいと思う。