村上龍 歌うクジラ (7)

 村上龍「歌うクジラ」が、iPhone / iPod touchにも対応した。いずれも持っていないので悔しい思いをしていたのだが、そんな折、紙媒体の方が紀伊國屋書店に遅れること3週間、やっとAmazon でも予約可能となった。

 Amazon の商品リンクに画像が付いたのは、おそらく本日未明の事だろう。昨日まで画像はなかった。それにしてもこのカバーには驚いた。電子版とはまったく違う。紙媒体でも同じ表紙だろうと勝手に思い込んでいたのだが、同じどころか、別の作家の別の作品と思えるほどだ。

 「歌うクジラ」は近未来冒険小説という事になっている。そのような内容にピッタリのイメージを電子版は持っていた。紙媒体に使用される表紙に、SF 的イメージはまったく無い。世間を騒がせた最先端の作品としてのイメージと、このおそろしく地味な表紙から受けるイメージのギャップは大きい。

 しかしながら、すべてが周到に練られた戦略に基づいているはずだ。本を実際に手にすれば、抱く感想も違うのかもしれない。