村上龍 歌うクジラ (4)

 村上龍の新刊発売日には必ず書店に立ち寄った。平積みの中から真ん中あたりを抜き取り、角や帯が折れてないか、汚れはないかをチェックしてレジに行く。ベテランの店員さんが寸分の隙もなく書店のカバーを付けてくれる。家に持ち帰りカバーをはずし、表紙と背表紙を眺める。たっぶり眺めた後に、お気に入りの革のブックカバーに付け替える。これが一連の儀式。

 Amazon で書籍を購入するようになっても、村上龍の新刊に限ってわざわざ書店に出向いて買っていた。一連の儀式をないがしろにしたくなかった。些細な事ではあるが、たったこれだけの事が十分に楽しかった。

 「歌うクジラ」のiPad 配信から2ヶ月が経つ。JMM によれば直にiPhone での販売が始まり、10月末には他のデバイスでも出るらしい。一方で紙媒体での発売情報はまったくない。1ヶ月程度のタイムラグで紙媒体も入手可能だと勝手に思い込んでいたが、どうやら甘かったようだ。

 いい加減、僕もそろそろ決断しなければならない。

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