上村愛子はやっぱりカッコよかった。そしてバックに流れていたNirvana の「Smells Like Teen Spirit」も、やっぱりカッコよかった。
90年代前半、僕はNirvana に入り込めなかった。Nirvana のみならずグランジで括られていた音楽はすべてスルーしてしまった。Nirvana を聴くようになったのは、Kurt Cobain が亡くなってから何年も後の事だ。惜しい事をしたと思う。リアルタイムで体験していればどんなに素晴らしかったことか!
Nirvana に入れなかった原因は分かっている。Guns N’ Roses の呪縛から解き放たれていなかったからだ。残念ながら音楽の趣味はそう簡単には変化してくれない。新しいムーブメントに乗れない事はしょっちゅうだ。そういえば遥か昔、Sex Pistols にも乗れなかった。この時の呪縛はLed Zeppelin だった。騒ぎが静まった頃、その良さに気付くのはやはり惜しい。
もし仮に「Smells」が上村愛子本人の選曲だとしたら、あまりにカッコ良すぎて、言葉も何も、溜息しか出ないだろう。