村上龍 裏JMMの海岸 Q:1050

Q:1050
 内閣府はプライマリーバランスについて、2009年度の赤字幅が40兆6千億円になるとの推計値を発表しました。過去最悪だそうです。民主党はマニフェストにおいて、財政赤字を拡大しない方向で、つまり行政のムダを徹底的に省くというやり方で政策実行が可能だと言っていた記憶があります。その計画はどこで狂ったのでしょうか。

 村上龍 裏JMMの海岸。そもそも民主党の掲げたマニフェスト自体が、多分に選挙対策用でしょ。政権交代がまずありきで、それを実現するための道具として国民ウケするマニフェストが必要だったという事ですよね。

 一方で国民の方もマニフェストどおりにいくなんて思ってた人は少なくて、最初から話は半分程度にしか聞いてない、眉唾だって事は見抜いてたワケです。ところがそれでも自民党よりは明らかに期待値が高かったので、いつの間にか誰もが多くの夢や希望を民主党に託してしまった、不安から開放されたいがために。騙した方も騙された方も、どっちもどっちです。

 ただ財政赤字に関しては民主党に運がなかったと思います。リーマンショックの後始末を受ける形で政権に就いているので緊縮財政路線は取りづらいですし、当時以上に現在や1年後の方が財政が厳しくなるのは仕方ないです。5年程前に民主党が政権を取っていれば面白かったのに!

 それでもまだ、希望を完全に捨てたわけではない。