村上龍 裏JMMの海岸 Q:1033

Q:1033
 山崎さんが回答の最後に触れられていましたが、亀井金融担当大臣が、中小企業の借金の返済猶予を提唱しています。平成の徳政令などと言われていますが、この政策をどう考えればいいのでしょうか。

編集長 村上龍 ジャパン・メール・メディア

 村上龍 裏JMMの海岸。民主党に投票した覚えはあるが、国民新党に投票した覚えはない。

 これがすべてじゃないでしょうか。先の衆議院議員選挙で、国民新党は4から3へ議席を減らしています。つまり自民党同様、国民の信任を受けられなかった党が国民新党で、その代表が亀井静香。モラトリアム法案の善し悪し以前の問題として、亀井大臣そのものが国民には受け入れ難いでしょ。

 百歩譲ってモラトリアム法案を考えてみます。借りた金は期限までに返済する。この事は常識です。幼稚園児でも知ってます。こういった誰にとっても常識とされている事が、時の権力によって強引に歪められようとしている、参加していたゲームのルールが誰かの都合で突然変わるワケです。道徳も倫理もあったもんじゃない。こんな世の中は怖くて住めないです。

 この新ルールで得をするのは、詐欺師のような個人とやる気のない中小企業、将来において幾らかでも伸びそうな企業は既に何らかの救済を受けてるはずです。そして新ルールで損を被るのは、納税者である善良な国民。