村上龍訳 リチャード・バック イリュージョン 6

 村上龍訳 リチャード・バック「イリュージョン」。人間も空を飛べるというような、自分の限りない可能性を信じているリチャードと、超自然的な力を有しながらも、救世主なんて面倒くさいと思っているシモダが出逢うとどうなるのか?

 リチャードは救世主試験にトライする事となります。シモダは面倒くさがりつつも、超自然的な能力を得る方法や、その力の行使の仕方、救世主としての心構えなど、自分の持つ全てをリチャードに伝授しようとします。

 シモダの教えはシンプルです。自分にもそれが出来ると思う事、それだけです。各種の超自然的な能力でさえも、それを実現している自分をイメージさえ出来れば、修得して実行する事が可能だというのです。いやぁ、究極的にプラス思考でポジティブな想像力が必要ですよね。でもあまりにも現実離れした事に対していつもこんな想像が出来るかというと、実際は無理ですよね。そこでシモダはこの世界の真理を教えます。

 「この世の全てはイリュージョンだ」。