村上龍訳 リチャード・バック イリュージョン 4

 村上龍訳 リチャード・バック「イリュージョン」。主人公はリチャード。フリートという小型複葉機のパイロットです。パイロットといっても誰かに雇われているワケではなく、自家用のフリートを操り自分の好きな場所に飛んでいき、適当にお客を集めては有料で乗せてやり遊覧飛行をする事で暮らしています。

 物語の舞台となっているはアメリカの大草原です。そして季節は夏。1日の商売が終わると、その場で火をおこし食事を作って、満天の星空を眺めながらお酒を飲んで、柔らかな草の上で大の字になって寝るワケです。

 いやぁ、なんて気ままなんでしょ、その日暮らしって奴ですね。しかもアウトドアライフを満喫している。仕事や家庭での煩わしい出来事すべてを忘れて、大自然の中でこんな暮らしが出来たら最高ですよね!

 そんな気ままなリチャードですが、他の多くの人と決定的に違う点がひとつあります。それは、人間はいつか空を飛べる、鳥にだってなることが出来る、そう信じている事です。誰かが方法を教えてくれさえすれば。