リチャード・バック かもめのジョナサン 6

 リチャード・バック「かもめのジョナサン」の翻訳って五木寛之なんですよ。で、あとがきも五木寛之が書いているんですけど、これがおそろしく酷評なんです。自分の翻訳でありながら原作を酷評してるってどういうこと?

 と、思いつつも五木寛之が言ってる事、スゴくよく分かるんです。五木寛之の感じている違和感というのは以下の2点です。「非常に高い場所から物を言っているような雰囲気」。これは宗教臭さっていうトコロだと思うんですよ。そしてもうひとつ「食べて寝るというような基本的な日常を軽視している」。そうなんですよ、この点についてもまったく同感なんです。

 ジョナサンというカモメはストイックすぎるんですよ。修行僧みたいに映る。なので痛々しいんですよね。確かにジョナサン本人は楽しいんでしょうけど。食欲、睡眠欲、性欲。人生の楽しみって他にもあるでしょ?

 類い希な飛行技術を武器にすれば、お金には不自由せず女性にはモテモテのハズ。高級リゾートでのロングバカンスとかもあってもイイんじゃない?