リチャード・バック かもめのジョナサン 5

 リチャード・バック「かもめのジョナサン」。第2部で瞬間移動が可能となるまで飛行技術を高めたジョナサンは、自分を追放した群れに戻る事を決意します。この部分が最後のパートである第3部となります。かつての群れの中に戻り、もう一度飛ぶ事の楽しさを皆に説きたいと考えるのです。

 第2部で起こった瞬間移動、これはこれでファンタジーなんですよね。確かに突拍子もない飛躍ですが、夢があっていいじゃないですか。しかしです。非常に多くの熱烈なファンを敵にまわすようで気が引けるのですが、僕はこの第3部だけはどうしても違和感を感じるんですよね!

 どうしてあれだけヒドい仕打ちを受けた、誰ひとり自分を受け容れてくれなかった群れに戻る必要があるのか。右の頬を打たれたなら左の頬も向けなさい、こんな慈愛に満ちた行動というのは現実を離れ過ぎてませんか。こんな人いますかね、キリストじゃないんだから。

 第3部にある宗教臭さが、やっぱりどうも苦手なんですよ!