リチャード・バック かもめのジョナサン 2

 映画ではEasy Rider、音楽ではJanis Joplin、文学ではJonathan。これがリチャード・バック「かもめのジョナサン」の位置づけだとすると、ロックテイストな、かなりカッコいい作品って事になりますよね。どうでしょ?

 普通のカモメ、この場合の普通とは変化を好まない旧態依然としたマジョリティの事です。こういった圧倒的数の普通のカモメは、港や船の傍に生息し、人間が漁をするときに使うエサを横取りしたりして暮らしています。翼とはそのためにあり、飛行という行為は食糧を得るための手段です。

 そんな中でジョナサンだけは飛行行為そのものに惹かれていきます。誰よりも速く飛びたい、誰よりも遠くまで飛びたい、誰もしたことのないような曲芸的飛行の快感。ジョナサンにとって空を飛ぶ事は最高の楽しみであり、生きる目的のすべてです。朝から暗くなるまで、満足に食事もとらずただひたすら飛行技術を習得する事だけに明け暮れる日々、これがジョナサンです。

 当然ですが群れからは思いっきりウキますよね。村八分ってワケです。