村上龍 裏JMMの海岸 Q:932

Q:932
 バブル崩壊後に日本ではさまざまな市場の規制緩和が謳われました。現在アメリカでは、金融市場に対する政府規制の必要性が、おもに民主党から指摘されているようです。今後、金融市場への政府規制を、基本的にどのように考えればいいのでしょうか。

編集長 村上龍 ジャパン・メール・メディア

 「Free、Fair、Global」。村上龍 裏JMMの海岸。

 90年代後半に行われた一連の金融市場への規制緩和、日本版ビッグバンの3原則がFree、Fair、Globalでしたよね。これらの言葉の持つ響き、何とも言えない高揚感がありませんか。少なくとも僕は、胸躍りましたよ。今まで体験したことのないような素晴らしい世界が、突然目の前に拡がったような、そんなワクワクとした気持ちにさせてくれましたよね!

 規制緩和というのは、基本的には善だと思います。アメリカで規制強化の動きがあるとの事でとても残念です。規制緩和に内包されているはずのFree、Fair、Global という精神が間違っているワケがないです。どうしてこんな事になってしまったんですかね、ちょっとしたボタンの掛け違い?

 もし政府規制によってFreeが多少なりとも損なわれる事があったとしても、FairとGlobalは守って欲しいです。Globalが歪められるのはとても危険な事ですし、Fairこそ市場の心臓ですから。