村上春樹 ノルウェイの森 18

 村上春樹「ノルウェイの森」。キズキ、直子、ワタナベくんというトライアングルの内、2人は自殺しちゃいますよね。3人の中には死へと誘う強烈な何かが渦巻いてたんですよ。それは死者と共に生きるという事から、自然に派生する特別な何かです。この何かに抗するのは難しいです。

 もしかしたら、ワタナベくんも死んでしまうのではないか。ワタナベくんを救ったのは緑の存在です。死と対極にある生の世界を活発に動き回る緑、彼女の持つ先天的な生の力に、対岸に強引に引き戻された。ワタナベくんが緑と出逢う必然性はなかったワケですから、ワタナベくんだけが偶然に、そして奇跡的に助かったという事になりますよね!

 緑がワタナベくんを救った。確かにそうだと思います。ただしワタナベくんが死を選ばなかった事が、本人にとって本当によかったのかは微妙です。

 プロローグにおいて、18年後のワタナベくんは、何故、緑についていっさい触れてないんでしょうか。考えれば考えるほど哀しい作品です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です