村上春樹 ノルウェイの森 16

 村上春樹「ノルウェイの森」。この作品をキズキ、直子、ワタナベくんというトライアングルで捉えた場合、起点となっているのはキズキです。ワタナベくんを生と死の緩衝地帯のような場所に追いやり、直子に対しては完全に死の世界へ導いてしまった。三角形の頂点はあくまでキズキですよね!

 ところがトライアングルの起点は直子なのだと考えると、違う世界が拡がってくるんですよ。類い希な美貌、信じられないほど美しい体、そして奇矯な振る舞い。直子を魔性の者と捉える事も不可能ではないですよね!

 作中、キズキの自殺の要因はいっさい書かれていません。そうすると、そもそもキズキを死に追いやったのは直子なのではないかという疑問が湧いてくるんですよ。もちろん直子が意図してキズキを自殺に追い込んだという事ではなく、直子の圧倒的な魅力を前に、その強烈なエネルギーを浴び続け、結果的に最も身近であった者が死を選ばざるを得なかったと。

 ワタナベくんというのは、直子の次のターゲットだったんですよ!

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